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002 同世代の橋
 
002 同世代の橋002 同世代の橋
商標、あるいは都市住宅
2009年6月29日
都市住宅という言葉を検索すると、都市再生機構、公団に関連したウェブサイトに辿り着く。
同名の建築雑誌がある。「豊かな生活空間をめざして人が輝く都市」という公団の謳い文句と、この雑誌の雰囲気は程遠い。そもそも都市と住宅というふたつ がくっついているのだから、この言葉にはまだ、明確な定義はないのかもしれない。都市住宅を指す建築物とは何か。それは都市と住宅とを、わけるのだろうか。
1970年代以降の建築の動向は、「都市からの撤退」、「住居に都市を埋蔵する」など、都市と住宅との距離が、個人史と重ね合わされた言葉によって語られる。明確な出典とその文脈を欠いたまま、繰り返し引用されるそれらの言葉は、建築家たちが自らの立ち位置を表明、もしくは確認するために利用され、当事者間だけで通じる暗号、同世代の橋のようになっている。
都市住宅という言葉を鵜呑みにせず、書割のような時代背景の裏側を、きちんと検討する必要がある。《同時代の橋》は、”ことば”をかたちにした建築 物である。まとわりついた”ことば”を剥ぎ取り”もの”を見てみると、いつのまにか、建築家は商標になっていた。(t)
同世代の橋
設計:石井和紘
竣工:一九八六年
場所:神奈川県横浜市 関内
   
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