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012 一畳敷
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齋賀英二郎
《一畳敷虫瞰図》
2012 鉛筆、色鉛筆、カラーマーカー/紙 148×210(cm)
旅旅旅、、、また旅。旅の連続のうちに武四郎がなしたことと言えば、行き着く先々で人々の生活とその背景である山川草木、涯ては北海道まるまるを野帳や地図といった平面へと落とし込み続ける作業の営々たる積み重ねであったと、そう考えたい。筆を、紙を介し取り込み続けた状景はおよそ一人の内にとどめておけるようなものではなかった。状景自体が、というと戯画めいてしまうだろうか、ひとつのはけ口を見つけ出したのだ。そうして背景に、それこそ日本中を覆うような平面的広がりを湛える一畳敷が立体となって現れた。
レンズ的に事物を遠ざける方法では、一畳敷を再度紙面に定着することは出来そうにない。ここで試みたのは、対象を等分割し部分部分を少しずつ引き寄せてから、平面へと還元し貼り合わせる作業である。(s)
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